ママのミカタPROJECT

その4
女性のライフステージと
健康の特徴を理解しよう。

女性のライフステージと健康の特徴を理解しよう。

これまではプレコンセプション・ケアの定義と具体的な行動についてご紹介してきました。
今回は「女性のライフステージと健康」をピックアップします。人はホルモンの分泌状態に応じて、心と体の状態が大きく変化します。特に女性は、男性と比べて、生涯を通じて劇的に変化すると言われています。つまり女性ホルモンの変動や加齢による心身のバランスを理解することは、未来の妊娠や将来の健康に向けたプレコンアクションのひとつとなるでしょう。

女性の心と体を支える「女性ホルモン」

まず、女性はホルモンの状態に応じて、小児期、思春期、性成熟期、更年期、老年期と5つのライフステージに分けられます。女性ホルモンは、月経がはじまる思春期12歳頃から22歳頃までに増加し、妊娠がしやすい性成熟期を経て、閉経がある50歳前後の更年期に急激に低下するとされています。
女性ホルモンは、月経や妊娠・出産だけではなく、肌のハリつや、骨密度の維持、コレステロール値の調整、血管の柔軟性などにも関与しているため、急減する更年期では、疲れやすい、気分の落ち込み、骨密度の低下、コレステロール値や血圧の上昇など、いわゆる、更年期症状が出現しやすくなります。また過度なストレスや極端なダイエットによっても女性ホルモンは減少することがあるため、若いうちでも同様の不調や将来の健康を損なう可能性が高まります。さらに、平均寿命が延びている現代では、女性は30年以上にかけて女性ホルモンが低い状態で生活することになります。女性ホルモンによる心身の変化は、自身だけではなく周囲の方々も理解することが重要です。

年齢と状況に応じて、がん検診を受診しよう

日本人女性の11人に1人がかかると言われている乳がん。発生は遺伝性のほか、女性ホルモンが深く関与していると言われており、「初潮が早く、閉経が遅い人」「出産歴がない人」「授乳歴がない人」など、女性ホルモンが分泌される期間が長い人ほど発症しやすいことも分かっているそうです。乳がんは、40歳以降から発症率が高まると言われていますが、若い女性や男性でも発症することがあるため、セルフチェックを習慣づけ、気になることがあれば専門医に相談してみましょう。
また20代から発症率が高まる子宮頸がんは、若いうちのワクチン接種や健診による早期発見が大切。” 日本人3大がん” と言われている大腸がん、胃がん、肺がんは、男女問わず40代後半から増加傾向にあります。自身の年齢と状況に合う健診を家族と一緒に検討してみましょう。

若いうちから女性ホルモンの変動と心身のバランスを理解しておくと、妊娠・出産はもちろん、将来の健康問題の予測・予防、専門医の受診を考える習慣へとつながるでしょう。日々の心身の変化を把握するためにも、これまでにご紹介した「プレコン・チェックシート」や「プレコンノート」をぜひ活用してみてください。
次回は、健やかな妊娠・出産と、そしてより良い将来を過ごすために、心がけたい生活習慣をご紹介します。

〈出典〉
まるっと!女性の健康支援プログラム

女性の健康支援者のためのテキストブック

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