その6
自分の体を知り、未来を守る!
「検診」の意義と活用法

前回は「食事・運動・休息」といった毎日の生活習慣のポイントをご紹介しました。今回は、プレコンセプションケアのもう一つの大切な柱である「検診の意義と活用」についてです。 自分の体の状態を客観的に知ることは、自分自身と未来の家族の健康を守る第一歩。具体的にチェックしておきたい4つのポイントと、今日からできるセルフケアをご紹介します。
無症状のまま進行することも。「性感染症」のチェック
近年、若い世代の間で誰もが感染する可能性のある「性感染症」が増加しています。性感染症は感染しても無症状であることが多く、気づかないうちに他の人にうつしてしまうケースが少なくありません。 放置すると不妊の原因になったり、将来妊娠した際に赤ちゃんの健康に影響を与えたりするものもあります。思い当たることがある場合は、婦人科や泌尿器科を受診してしっかりと治療することが大切です。また、パートナー同士でうつしあう「ピンポン感染」を防ぐため、カップルで一緒に検査を受けることをおすすめします。全国の保健所では、無料で性感染症の相談も行っています。
妊娠前に「風疹抗体価」と「ワクチン」の確認を
妊娠中にかかるとお腹の赤ちゃんに影響を与える感染症がありますが、風疹、麻疹、水痘(みずぼうそう)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などはワクチンで予防することができます。 特に気をつけたいのが「風疹」です。妊娠20週までに風疹に感染すると、赤ちゃんが心臓の病気や白内障、難聴などを患う「先天性風疹症候群」を発症するリスクが高まります。風疹などのワクチンは妊娠中には接種できず、接種後2ヶ月は避妊が必要になるため、妊娠を考える前に母子手帳で接種歴を確認し、早めに対策することが重要です。 また、妊婦さんにうつさない環境づくりのため、男性や家族のワクチン接種も欠かせません。特に1979年4月1日以前に生まれた男性は、過去に一度も風疹ワクチンを打つ機会がなかった可能性があるため、まずは抗体価(免疫が十分にあるか)のチェックをしましょう。
「生活習慣病」のコントロールは妊娠前から
妊娠前から生活習慣病を抱えていると、妊娠中の経過や赤ちゃんに悪影響を与えることがあります。例えば、血糖の状態を表す「HbA1c」が高い状態だと赤ちゃんの先天異常のリスクが上がり、高血圧がみられる場合は妊娠合併症のリスクが高まります。 これらを未然に防ぐためにも、毎年の健康診断を必ず受けましょう。肥満傾向がある方や、ご家族に糖尿病・高血圧の方がいる場合は、早めにかかりつけ医に相談し、妊娠前から治療やコントロールをしておくことが赤ちゃんの健康リスクを減らすことにつながります。
若い世代も人ごとではない「がん検診」
がんは年齢を重ねてからかかるものと思われがちですが、実は女性は20代から「子宮頸がん」が増え始め、30代からは「乳がん」が急増する“がん世代”に入ります。 20歳を過ぎたら2年に1度の子宮頸がん検診を受け、乳がんについては月1回のセルフチェックを習慣づけましょう。40歳からは乳がん検診も必要です。また、ご家族(祖母・母・姉妹)に乳がんや卵巣がんになった方がいる場合は、専門医を受診して相談してみてください。 男女ともに、40歳からは肺がん・大腸がん、50歳からは胃がんの検診を受けることも大切です。
月1回乳房のセルフチェックをしよう
乳がんのセルフチェックは、日々の生活の中で簡単に行うことができます。 お風呂やシャワーのとき、石けんがついた手で触れると乳房の凹凸がよくわかります。4本の指を揃えて、指の腹と肋骨で乳房をはさむように触れ「の」の字を書くように指を動かします。しこりや硬いこぶがないか、乳房の一部が硬くないか、脇の下から乳首までチェックします。乳房や乳首をしぼるようにして、乳首から分泌物がでないかを調べます。 また、鏡の前で腕を高く上げて、ひきつれ、くぼみ、乳輪の変化、乳首のへこみ、湿疹がないかを確認します。腕を腰に当ててしこりやくぼみがないかも観察しましょう。寝る前などに仰向けに寝て、背中の下に低めの枕などを入れ、乳房にしこりがないかを触って調べるのも有効です。
検診やワクチンは、いざという時の「後悔」を防ぎ、未来の「安心」を得るための大切なアクションです。まずは手元にある健康診断の結果を見直したり、今夜のお風呂でセルフチェックを試してみたりするところから、プレコンセプションケアを進めてみませんか?
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