ママのミカタPROJECT

その5
知ってる?
パパママのピンチを支えてくれる
【子育て短期支援事業】

知ってる?パパママのピンチを支えてくれる【子育て短期支援事業】

体調を崩したとき、出産の前後、急な出張や冠婚葬祭——。子育てをしていると、どうしても家庭だけでは対応しきれない瞬間があります。「少しのあいだ、安心してこどもを預けられたら」。そんなときの心強い味方が【子育て短期支援事業】です。
「ショートステイ」「トワイライトステイ」とも呼ばれるこの制度は、保護者の病気や出産、仕事や育児疲れなどで一時的に家庭での養育が難しいときに、児童養護施設や乳児院、里親宅などでお子さんを短期間預かってくれる公的な仕組みです。
いざというときに頼れる場所を確保しておくことで、親も子も安心して日常を過ごせるように——そんな思いから全国の自治体で整備が進んでいます。
対象となるのは、乳児からおおむね18歳未満までのこども。保護者が入院したり、介護や出張で家を空けたり、育児疲れや体調不良で少し休息が必要なときなど、さまざまな事情で利用できます。日中のみの預かりや宿泊を伴う利用、夕方から夜にかけての「トワイライトステイ」など、地域によって形はさまざま。家庭の状況に合わせて「こどもだけ預ける」「親子で一緒に利用する」こともできるなど、柔軟に対応してもらえるのが特徴です。
利用の流れは、おおまかに次のようになります。まずは、市区町村の子育て支援課や家庭支援課に相談。事情を伝えると、担当者が利用可能な施設を案内してくれます。利用希望日やお子さんの年齢、健康状態、アレルギーなどを伝えて、施設側と調整が進みます。はじめての利用のときは、面談や書類記入が必要になる場合が多く、利用までに数日〜2週間ほどかかることも。急な事情で利用したいときは、早めに連絡を入れておくと安心です。
持ち物は、普段の生活で使っているものを中心に、パジャマ・着替え・歯ブラシ・タオル・母子健康手帳・健康保険証・お薬など。乳幼児の場合は、ミルクや哺乳瓶、おむつなども必要です。お子さんが安心できるよう、好きな絵本やぬいぐるみを持参できる施設もあります。
費用は世帯の所得によって異なり、生活保護世帯や非課税世帯では無料、一般世帯でも1日あたり1,000円〜2,000円ほどで利用できることが多いようです。食費やおやつ代が別途必要になる場合もあります。最近では、親子で一緒に宿泊しながら専門スタッフと過ごせる「親子入所支援」も広がっています。育児に行き詰まりを感じたとき、 親子それぞれが穏やかな時間を過ごしつつ、安心して相談できる場として利用される方も増えています。このほか、出産や入院など、一時的に家庭での育児が難しい場合にも利用でき、たとえば二人目の出産で実家に頼れなかったり、近くに支援してくれる人がいなかったりするときにも活用されています。
また、夜勤や遅番などで夜間に家を空ける家庭に向けて、夕方から夜にかけてこどもを見守る「トワイライトステイ」を行う自治体もあり、働き方に合わせた支援が広がっています。
いざというときにスムーズに利用するためには、「平時のうちに一度、窓口に相談しておく」ことがおすすめです。登録を済ませておくと、急な体調不良などのときにもスムーズに受け入れてもらえる場合があります。
また、利用前にはお子さんに「ここは安心して泊まれる場所だよ」と伝えておくと、初めての環境にも落ち着いて過ごしやすくなります。
子育て短期支援事業は、特別な事情のある家庭だけのものではありません。ほんの少し、心と体を休めたいとき——そんなときにも使える制度です。数日でもゆっくり休むことで、笑顔で「おかえり」と言える自分を取り戻せることもあります。家庭だけで抱え込まず、地域や制度に少し頼ってみる。それも、子育てを続けていくための大切な力になります。
「こどもが生まれてから初めて、好きな時間に寝て好きな時間に起きることができました」「預けられると思うだけで平日にゆとりができて、こどもに優しく接することができます」といった保護者の声も上がっており、実際に「安心して預けられた」ことで子育てに余裕が生まれたという利用者の実感が制度を支えています。

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