ママのミカタPROJECT

その3
母乳分泌不足

母乳分泌不足

「赤ちゃんが元気に育ってくれたら、母乳でもミルクでもどちらでもいい。でも、出るのであれば母乳をあげたい。」そう思うのは、哺乳類である私たちが自然に抱く想いなのかもしれません。母乳の分泌を増やしたい時、少しでもできることのヒントをお伝えします。

乳頭を深くくわえて飲めている?

赤ちゃんが乳頭をしっかり深くくわえて母乳を飲むことで、乳房が刺激を受けて、母乳を作る反応をします。直接乳頭を浅くくわえている、くわえることができないなど、しっかり飲めていない状況だと、乳房への刺激がとどかず、母乳をつくる反応をうみだすことができなくなります。母乳の分泌を増やすには、母乳がしっかり飲みとれているかが、とても大切です。どうしても直接母乳が飲めない場合は、搾乳をして、乳房に残る母乳を少なくしましょう。そして、できるだけ早く、母乳外来や母乳相談室の乳房ケア専門の助産師に授乳をみてもらうようにしましょう。

ミルクをあげ過ぎてない?

母乳の分泌を増やすためには、1日に8回から12回以上の授乳をするようにします。ミルクを補足している場合、ミルクの量が多くなって、授乳回数が減ってしまうことで、母乳の分泌が減ってしまうことがあります。ミルクのあげ過ぎには気をつけましょう。ミルクを補足する場合もミルクを飲ませる前に母乳を飲ませてください。できるだけ1日に8回以上母乳を飲んでもらいましょう。

ママの睡眠、栄養、水分は摂れている?

母乳を出したいために、頻回授乳で疲れ過ぎてしまったり、精神的にも休めない状況が続いたりしてしまうと、母乳の分泌が悪くなってしまうことがあります。赤ちゃんが寝ている時間は、できるだけ一緒に横になって休んでください。

また、妊娠中に引き続き、バランスのとれた食事を食べましょう。炭水化物から糖質もしっかり摂ってください。食物繊維も摂れるごはんやお芋類などがおすすめです。タンパク質は、お肉、お魚、大豆類、卵などから摂るようにしましょう。牛乳やチーズなど乳製品も栄養価が豊富ですが、健康のためにも脂肪の取り過ぎには気をつけてください。

水分もこまめに摂りましょう。身体を冷やさないように常温か温かい飲み物がおすすめです。

力が入りすぎてない?

授乳の時、肩や背中、腕に力が入りすぎてママの身体が緊張しすぎていませんか?飲ませる前に、肩や乳頭をホットタオルで温めたり、身体をほぐしたりして、意識的に力を抜きましょう。飲ませ終わったらストレッチをして、身体を緩めることもおすすめです。

母乳分泌が増えなかったら?

母乳分泌が思うように増えない場合、母乳を少しでも飲ませたい気持ちがあるうちは、多少でも搾乳をして母乳をあげましょう。母乳をあげていることに変わりはありません。哺乳瓶の哺乳であっても、しっかり抱っこして目と目を合わせて、コミュニケーションをとりましょう。赤ちゃんへの愛情を伝える大切な時間となります。

母乳の分泌を増やすヒント

監修:記野絵美(助産師、看護師)

看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。

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