ママのミカタPROJECT

その4
飲めない理由

飲めない理由

哺乳瓶では飲めるのに直接母乳を飲んでもらえなかったり、今まで上手に飲んでいた母乳を急に嫌がったりすることがあります。うまく飲めないのには、お母さん、赤ちゃん、それぞれに何らかの原因があります。原因を探るヒントをお伝えします。

お母さん授乳の時の抱っこの仕方はどう?

お腹とお腹が向き合っているか、乳頭と赤ちゃんの口の高さが同じか、前かがみの姿勢になり過ぎていないか、赤ちゃんのあごが乳房にくっついているか、不自然な姿勢になっていないか等を確認してみましょう。

乳頭乳輪の形?大きさ?

乳頭が短かかったり、へこんでいたりする場合、赤ちゃんのお口よりも乳頭が大きい場合、乳頭乳輪が硬かったり、浮腫んでいたりする場合、乳輪まで母乳が溜まっている場合等、乳頭の形状や乳頭乳輪の状態で、赤ちゃんがくわえにくいことがあります。飲ませる前に、搾乳するように乳頭乳輪を圧迫したり、つまんだりするようにマッサージするのがおすすめです。うまく飲めない場合は、搾乳を続けて、授乳の練習をしながら、飲めるようになるまで待つことが必要な場合もあります。

乳房のトラブルはない?

乳腺炎や乳腺の詰まりで母乳の味が変わったり、出が悪くなったりすると、母乳を嫌がることがあります。赤ちゃんの抱き方を変えてみるのもおすすめです。また、手で搾乳してみて、溜まっている腺や、つまっている腺から古い母乳を出すようにしてみましょう。

赤ちゃんすぐ寝てしまう?

体重が増えていないと、すぐ寝てしまったり、乳頭がお口より大きくて飲めなかったりする場合があります。母乳やミルクが足りているか、体重が増えているか確認しながら、経過をみる必要がある場合もあります。病院の母乳外来や母乳相談室などの助産院で相談しながら経過をみましょう。

乳頭混乱?

母乳の他に哺乳瓶で哺乳していると、哺乳瓶の乳首の方が飲みやすく感じて乳頭混乱状態になり、母乳を嫌がることがあります。嫌がるのに授乳姿勢を取り続けると、余計に嫌がり、授乳姿勢をとっただけで、嫌がるようになることがあります。スキンシップからはじめて、機嫌のいい時や眠い時に授乳に誘うようにしましょう。

舌が上がってしまう?

舌が上がって乳頭を舌の上にのせられていないために飲めないことがあります。哺乳瓶の乳首を吸わせ、舌を下げるようにして吸える舌の形にしてから、乳頭乳輪をくわえさせる、というやり方もあります。

口の中にできものはできてない?

ヘルパンギーナや手足口病などに感染すると、お口の中や喉の奥に口内炎や水疱ができることがあります。喉やお口が痛いと、母乳を飲めなくなることがあります。嫌がったり、痛がる時は、お口の中を観察してみましょう。

赤ちゃんに母乳を飲んでもらえなかったり、乳頭乳輪をくわえてもらえなかったりすると、がっかりして気持ちが落ち込んでしまうこともあります。ネガティブな時は、病院やクリニックの母乳外来や母乳相談室等で相談しましょう。ひとりで悩みを抱え込まないようにしてください。

お母さんと赤ちゃん、それぞれの原因を探ろう

監修:記野絵美(助産師、看護師)

看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。

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