ママのミカタPROJECT

その1
こころを育てる基本

こころを育てる基本

「三つ子の魂百まで」という言葉があります。赤ちゃんの時期に形成された性格や気質は、年齢を重ねても変わらないという意味です。赤ちゃんは愛着関係を通して、人として成長し、人への信頼や安心という感情を見出していきます。この大事な時期に、ママやパパは赤ちゃんとどのように向き合い、愛着関係を築いていけばいいのでしょうか。そのヒントをお伝えしていきます。

産まれたばかり〜1カ月くらい

産まれたばかりの赤ちゃんの情緒は、外の世界に驚き、ビクビクしている興奮の状態です。泣くことが多いので、刺激から守ってあげるように、いっぱい抱っこしてあげましょう。「寝たかなぁ」と思って布団に寝かせるとすぐに起きてしまうこと、ありますよね。でも、これを繰り返すことも大切です。ママやパパにたくさん抱っこしてもらい安心することで、人を信じる気持ちを育むことにつながります。これが愛着を形成するはじまりになります。

生後2カ月〜6カ月

産まれてすぐの興奮の状態から成長することで、快と不快の情緒が芽生えてきます。赤ちゃんはモゾモゾしたり、指をしゃぶったり、時には思いきり泣く等して、快、不快を伝えようとしてきます。その快、不快のサインを親にキャッチさせて、不快が快になるように、その快が続くように関わってきます。この関わり合いの繰り返しで、赤ちゃんは、人との信頼を育み、安心感を覚え、信頼関係を築いていきます。
「抱っこかな?」「お腹が空いたかな?」それとも「眠いのかな?」「ゲップかな?」「暑いかな?」等と探って、わかることもあれば、わからないこともあるでしょう。それでも赤ちゃんを大切に思う気持ちがあれば、試行錯誤を続けていくうちに、赤ちゃんが何を伝えようとしているのかがわかるようになっていくはずです。一方、赤ちゃんも、そうした試行錯誤を重ねる中で、ママやパパへ信頼や安心を感じていき愛着を深めていきます。

生後6カ月〜2、3歳

6カ月頃からは、外の世界に興味をもつようになります。ママやパパとの愛着関係を基地として、探検したい気持ちが強くなってきます。ママやパパにとっては、自分の思ってもいない行動を赤ちゃんがとると、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。そんな時は、赤ちゃんの目線に立ち、赤ちゃんの世界を一緒に楽しむ心の余裕が大切になります。また、赤ちゃんは自分に関心をもってほしいため、ママやパパに近づいて、愛着を確認する行動や、後追いの行動をとることもあります。何かを求めてきた時、タイミングよく応えることが大切ですが、手が離せずに応えられないこともあるかもしれません。赤ちゃんは表情や行動をよく見ており、雰囲気を感じ取る力があるので、自分にちゃんと向き合ってくれているかどうかはわかります。すぐに対応できない時は、優しい声かけで「待ってね」とコミュニケーションをとって関心を向けるようにしてください。

赤ちゃんのサインには、笑顔や優しいまなざしで声かけし、こころを込めて対応すると、愛情は伝わり、笑顔は連鎖していきます。もしママとパパが笑顔になれない、こころに余裕が持てない状況が続くようなら、周囲に「助けてほしい」というサインを出しましょう。家族や病院、自治体等に相談して力になってもらってください。赤ちゃんがサインを出すように、ママやパパも困った時は赤ちゃんのためにサインを出しましょう。

赤ちゃんの情緒の変化

監修:記野絵美(助産師、看護師)

看護専門学校助産師学科卒業。総合病院、産婦人科クリニックで勤務後、公益社団法人桶谷式母乳育児推進協会桶谷式乳房管理士の資格を取得し、郡山里の母乳相談室桶谷式代表を務める。

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